利益計画のチョー簡単な立て方とは? | 大阪の税理士法人:大阪・京都・神戸・滋賀・奈良・東京・横浜を中心に活動/決算対策/節税対策/銀行対策/黒字化対策/赤字対策/資金調達/税務調査/

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利益計画のチョー簡単な立て方とは?

来期の利益計画をこの時期策定する理由

前項でみたように、決算3ケ月前には、「過去9ケ月実績利益+未来3ケ月予測利益」によって、決算時の利益予測や納税予測を行います。ただし、予測はこれだけで終わらせず、合わせて、来期の利益も予測してください。  

つまり、決算3ケ月前には、今期の着地点である決算予測と合わせて来期予測となる「利益計画の策定」も同時に行なってください。  

それでは、なぜ、決算3ケ月前に利益計画を策定しないといけないのでしょうか?

それは、
1.今期の節税対策に有効、
2.来期消費税シミュレーションに有効、
3.来期役員給与額の決定に有効
だからです。  

例えば、「来期の利益計画」から、その投資の一部を前倒しすることによって、今年の節税対策に貢献できるかもしれません。また、以降で詳しくみていきますが、来期の消費税計算方法の選択は今期中にしないといけません。そのために必要な資料が「来期の利益計画」になります。同様に、来期の役員給与額は決算後3ケ月以内に決めないといけませんが、そのときの検討資料としても「来期の利益計画」が必要です。  

余談ですが、昨今の会社法や税法の改正をみていると、企業に計数管理の徹底を図っているように感じます。つまり、どんぶり勘定の会社はダメよという合図です。逆にいうと、日々の記帳にもとづく管理会計の導入や先述の利益計画の策定などを行っている会社には、税金なども優しいといえるでしょう。

利益計画のチョー簡単な立て方

では、利益計画とはどうやって立てればいいのでしょうか。実はやり方は千差万別です。既に利益計画を策定したことがある会社では、その方法で継続して実施されるといいのですが、今まで一度もやったことがないという多くの中小企業のために、「利益計画のチョー簡単な立て方」を伝授いたします。

利益計画のチョー簡単な立て方


まずは、経営陣の頭の中にある来期の構想を、ラフにメモ書きのような感覚で白紙の紙に書いてもらってください。例えば、白紙の紙に大きな○を書いて、その中に「駅前への新規出店(初期投資500万円、運転資金300万円)」や「新メニュー開発(開発費50万円、広告費30万円)」、「社員1人採用(年収400万円、採用費30万円)」、などを書き込んでもらうのです。

そして、下図にあるようにそれぞれの○について、関連するものを線で結んだり、コメントを付していったりするのです。

そうすると、経営陣自身がぼんやりしていた来期の構想が、リアルに浮かび上がってくる事があります。例えば、駅前への新規出店に合わせて新メニューの発表を行なってみてはどうか、や、採用予定の社員を新規出店の店長候補としてはどうか、などです。

来期の構想を紙に書く

最低目標経常利益を決める!

利益計画の策定において次にすることは、来期において最低限稼がないといけない最低目標経常利益を決めることです。

通常は、「(長期借入金の年間返済金額-減価償却費)×2」となります。

減価償却費とは過去において行なった投資に対するキャッシュアウトしない費用ですから、マイナスします。また、最後に2倍しているのは税金分を考慮しているためです。  

では、借入金が多額にある会社ではどう考えればいいでしょうか。その場合、上記算式に当てはめると、現実味のない到達不可能な金額が最低目標経常利益になってしまいます。そこで、多額の借入金がある会社では、期中に折り返し融資があるでしょうから、その分を考慮して、実質的な年間返済金額をもって、上記算式に当てはめてみてください。  

また、無借金の会社ではどう考えるのがいいでしょうか。この場合は、上記算式は使えませんので、前期実績などを参考に決めてください。

固定費を予測する

次には、人件費や交際費、減価償却費などの固定費を予測してください。このとき参考になるのが、今期や前期の月次推移損益計算書です。中小企業の場合、通常、人件費や家賃、リース料、減価償却費など4~5項目で全体の8割程度の固定費が決まります。従って、月ごとの推移で固定費をみていくと、概ね来期の通常固定費は予測できます。会社規模にもよりますが、千円単位や万円単位などのラフな概算で結構です。

ちなみに、来期の減価償却費については、パソコンソフトを活用されている場合は翌期更新処理すれば簡単にわかります。

更には、先述の白紙の用紙に書き出した来期構想にかかる費用を足しこんでいけば、来期の固定費予測は出来上がりです。

販売計画と突き合わせる

ここまでくれば、後は簡単です。

先ほどの「最低目標経常利益+固定費予測額」で、会社が来期最低限稼がないといけない粗利(売上総利益)が決まります。粗利率が40%の会社であれば、売上総利益÷40%=最低目標売上高となります。  

ここで、営業などからあがってくる来期販売計画と突き合わせます。来期販売計画の売上高が1,000で、借入金の返済原始などからくる最低目標売上高が1,200ならば、営業に販売計画の練り直しを指示するべきでしょう。  

また、来期販売計画が1,500の場合は、最低目標売上高1,200との差額300を売上総利益ベースに直した120(=300×40%)について、3分法によって、会社内部留保40、従業員還元40、役員還元40とするのも1つの考え方です。

2009.11.1執筆

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

今村 仁

今村 仁

「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。

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