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黒字化対策1-費用ではなく資産処理とする! | 大阪の税理士法人:大阪・京都・神戸・滋賀・奈良・東京・横浜を中心に活動/決算対策/節税対策/銀行対策/黒字化対策/赤字対策/資金調達/税務調査/
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黒字化対策1-費用ではなく資産処理とする!
30万円未満も資産計上
まずは、合法的な黒字化対策で一番オーソドックスなのが、この「費用ではなく資産処理」です。
例えば、青色申告書を提出する中小企業者等(注)では、30万円未満の少額減価償却資産については、特例として、その全額を費用処理できます(1事業年度において合計300万円が上限)。
そこで、黒字化対策としては、「あえてこの規定を使わずに資産処理」するのです。後は、減価償却を通じて耐用年数期間で費用処理されるのですが、この減価償却も任意ですので今期は償却しないということも可能です。
ということは、例えば、15万円のパソコン20台を購入した場合、黒字化に最大15万円×20台=300万円貢献することになります。
ただし、この場合、償却資産税は発生することになります。この償却資産税を回避するためには、「一括償却資産」処理する方法も考えられます。一括償却資産処理とは、10万円以上20万円未満の減価償却資産について、3年間均等償却を行なうというものです。
上記のパソコンの例の場合、費用処理される金額は、300万円×1/3=100万円となりますから、黒字化貢献金額は、300万円-100万円=200万円となります。30万円特例より効果は少なくなりますが、一括償却資産処理したものには償却資産税がかかりませんのでこの点は得です。
30万円未満の少額減価償却資産の特例は、青色中小企業者等についてだけ認められている制度(一括償却資産はすべての会社が対象)です。大企業なども含めた費用か資産かの原則的な基準は、10万円です。つまり、10万円未満であれば通常費用処理となります。
そこで、黒字化対策としては、この「10万円未満のものも資産計上」するということが考えられます。
ただし、あまり細かいものまで資産処理すると後々経理が煩雑になりますし、経理処理の妥当性も疑われますので、ご注意下さい。
(1)資本金が1億円以下の法人のうち下記以外の法人
①同一の大規模法人が資本金又は出資金の額の1/2以上を所有している法人
②2以上の大規模法人が資本金又は出資金の額の2/3以上を所有している法人
(2)資本金を有しない法人のうち、常時使用する従業員数が1,000人以下の法人
(3)常時使用する従業員数が1,000人以下の個人
(4)農業協同組合等
棚卸資産や貯蔵品の計上モレはありませんか?
次の「費用ではなく資産処理」における黒字化対策としては、「原材料、商品、製品等の計上もれ(付随費用や単価誤り等)の確認」です。
よくあるのは、「預け在庫などを丸々棚卸計算から漏らしていた」や「遠方からの原材料仕入について運賃などの付随費用を棚卸金額に含めるのを忘れていた」などです。棚卸の金額が増えるということは、会社の資産が増えるということですから、黒字化に貢献することになります。
棚卸以外にも、「パンフレット、ちらし、印紙、切手等で未使用のものを貯蔵品に計上」できないか確認してください。「決算期末に会社案内や折り込みちらしなどを刷ったのだけれどまだ配布できていない分が会社に残っている」や、「金庫にある切手や印紙について貯蔵品計上するのを忘れていた」という会社では、貯蔵品として資産計上することによって、その分利益がかさ上げされることになりますので、確認してみてください。
家賃の支払いは前払いです
事務所家賃や社宅家賃、駐車場代などは、通常後払いではなく前払いです。つまり、3月決算の会社では、3月末に支払う家賃は、4月分です。ということは、この支払は地代家賃などの科目で費用処理するのは間違いです。しかし中には、この間違った経理処理を続けている会社もあります。
3月末に支払う事務所家賃80万円、社宅家賃10万円、駐車場代10万円とすると、これらを費用ではなく資産科目となる「前払費用」で処理すると、80万円+10万円+10万円=100万円が黒字化に貢献することになります。
保険料処理、よくある間違い3パターン
また、支払っている「保険料のうち資産計上部分がないかどうかも再確認」してみてください。よくある間違いを3つのパターンでご紹介します。
パターン1
「長期損害保険料(保険期間3年以上でかつ満期返戻金を支払う定めのあるもの)の支払いで、積立保険料部分を費用処理していた」
パターン2
「終身保険(生命保険)の支払いを全額費用処理していた」
パターン3
「平成20年2月28日以後の契約に係る逓増定期保険(生命保険)の支払いを全額費用処理していた」
パターン1
積立保険料に相当する部分の金額は、保険期間の満了又は保険契約の解除若しくは失効の時まで、保険積立金として資産に計上することになっています。
パターン2
終身保険料については、その全額が保険積立金として資産計上することになっています。
パターン3
平成20年2月28日以後の契約に係る逓増定期保険料については、全額費用処理する取扱いはなくなりました。この場合の費用か資産かの経理基準は、以下のようになります。
2009.11.1執筆
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
今村 仁
「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。