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格付アップ10の方法(決算書編)~役員借入金を固定負債に計上する

流動比率=流動資産/流動負債

金融機関による企業格付では、決算書に基づく定量的評価が約8割のウェイトを占めるため重要です。そこで、この定量的評価を詳しくみていくと、大きくは4分類の経営分析指標より評価されているようです。  

4分類とは、図にあるように、「安全性要因」・「収益性要因」・「成長性要因」・「債務返済能力要因」となっています。要は、会社が倒産しにくく今後の成長が見込め、結果として借入返済に支障が無いかどうかを、いくつかの経営指標をもとに確認しているといえます。  

ここで、安全性要因において、「流動比率」という項目があります。これは、貸借対照表にある「流動資産」を「流動負債」で割って求めます。流動資産とは、現預金・売掛金・棚卸資産など原則1年以内に現金化できる資産のことです。一方、流動負債とは、買掛金・未払金・短期借入金など原則1年以内に支払わなければならない負債のことです。つまり、流動比率とは会社の短期的な支払い能力を示しています。最近では黒字倒産ということも珍しくありませんから、この流動比率は経営上も重要です。  

流動比率が1つまり100%以下であると、資金ショートを起こす可能性があり、良くない財政状態であるといえます。よくいわれるのは200%以上が望ましいということですが、一般的には120%以上あれば問題ないでしょう。

図 定量的評価の4分類
(安全性要因)
自己資本比率=自己資本/総資産   流動比率=流動資産/流動負債など
(収益性要因)   
売上高経常利益率=経常利益/売上高   総資産経常利益率=経常利益/総資産など
(成長性要因)    
経常利益増加率   自己資本額など
(債務返済能力要因)   
債務償還年数=有利子負債/(営業利益+減価償却費)   キャッシュフロー額=営業利益+減価償却費など

役員借入金を固定負債に表示

一方、中小企業の場合、貸借対照表の流動負債の欄に、経営者などの役員からの借入金が「短期借入金」として表示されていませんか。

「創業時に発生した経営者からの借入が、現在までずっと固定で決算書の負債に計上されている」
「以前会社がピンチのときに役員から資金拠出があり、そのときの借入が返済されないまま決算書の負債に計上されている」  

原因は様々でしょうが、返済がほとんどされずほぼ固定化された負債というのは、流動負債ではなく固定負債に表示するのが正しいです。よくあるのは、銀行からの借入金は固定負債である「長期借入金」として、役員からの借入金は流動負債である「短期借入金」としているパターンです。本来固定負債のものを流動負債に表示していると、流動比率が下がり、結果として格付が下がる可能性があります。  

そこで、役員からの借入でほとんど固定化されたものについては、新科目「役員借入金」をつくって「固定負債」に表示にするようにしてください。すると、流動比率が上がり格付アップにつながります。

2009.11.1執筆

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

今村 仁

今村 仁

「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。

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