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部門別会計の導入は今期中に準備が必要

部門別会計はおすすめ

売上が拡大し、本社事務所以外に支店を設けるような状況になってきたときには、「部門別会計」の導入を実施されることをおすすめします。部門別会計とは、管理会計の一種ですが、例えば、本社や支店というのをそれぞれ1つの部門ととらえた場合、本社の損益計算書そして支店の損益計算書がそれぞれ別々に集計されるということです。つまり、本社での儲けと支店での儲けが区別してわかるようになります。

もちろん、部門別会計を導入しても、全体での損益計算書はきちんと計算されます。今では、会計ソフトが発達していますので、5万円ぐらいの会計ソフトでも部門別会計に対応しているものもあります。  

経営という視点からみると、ある程度規模が大きくなった段階では、部門別会計はぜひとも導入されることをおすすめしますが、「導入時期」には注意してください。

よくあることです

例えば、3月決算の会社で、1月頃に上記のような支店などを設けることができて、部門別会計が必要な状況になったとします。

経営者としては、経理担当者や顧問税理士などに、「売上が拡大してきたので、全体の売上や利益がわかるだけでは会社が本当に大丈夫なのかどうかよくわからなくなってきた。そこで、部門別会計を導入したいのだが」と話したとします。

すると、多くの経理担当者などは、「それでは、今期は残り少ないですし、期が変わる来期から部門別会計を導入することにしましょう」と言うでしょう。経営者としては、来期から部門別会計が導入されるもの、と思いますよね。  

ところがどっこい、そのようにうまくいくことは実は稀です。

よくあるケースをご紹介します。
下図の管理会計の導入時期をご覧下さい。

3月決算の会社であれば通常5月頃に、経理担当者や顧問税理士などと決算などで会議をもつことと思います。このときに例えば、経理担当者などが、「部門の分け方や名称はどうしましょう。また、会社全体にかかる間接費をそれぞれの部門に配賦する基準はどうしましょう」などと経営者に相談されることがあります。

相談されることは大事なことなのですが、重要なのはその時期です。翌期が始まってしまっている5月に管理会計の導入の詳細が決定となると、既に経理処理が終わっている4月分の会計入力を変更することになります。これは会社によっては結構な手間となります。経理担当者思いの優しい経営者ほど、「それなら仕方無いな。来期から導入することにしようか」となります。決算前ではなくて、決算申告時期(3月決算の会社の場合、5月)に、経理担当者などとじっくり相談するというような会社が多いため、こういったことになるのです。

この場合、いつまでたっても、部門別会計を導入することは出来ないことになります。これは漫画みたいな話ですが、実際、導入できないままずるずると3年、5年経過するというのは、中小企業ではよくあります。経理がブラックボックス化していて、部門別会計といっても経営者にとっては何をしないといけないのかがよくわからない、というのもその原因の1つかもしれません。

管理会計の導入時期

だから決算1ケ月前には検討して欲しい

そこで、ぜひとも決算1ケ月前に、部門別会計を含めた「管理会計の導入準備」をしてほしいのです。

先ほどは、管理会計の例として、「部門別会計の導入」の話をしましたが、それ以外にも、利益予測のページで解説した「発生主義会計」や、「月次棚卸の実施」、「減価償却費や年払経費の月次計上」、「税抜経理」なども、決算前にその詳細を決めておいてください。  

コントのネタになりそうな、いつまでたっても管理会計が導入できないといったことの無いように、ぜひとも決算1ケ月前には「部門別会計を含めた管理会計の導入準備」を実施して下さい。

2009.11.1執筆

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

今村 仁

今村 仁

「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。

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