守りと攻め、節税の極意3ケ条 | 大阪の税理士法人:大阪・京都・神戸・滋賀・奈良・東京・横浜を中心に活動/決算対策/節税対策/銀行対策/黒字化対策/赤字対策/資金調達/税務調査/

ホーム > 決算3か月前にやるべき6項目 > 守りと攻め、節税の極意3ケ条

守りと攻め、節税の極意3ケ条

守りの節税、攻めの節税

決算対策として決算3ケ月前にするべき3つ目の項目は、「節税対策」です。節税対策は、納税予想をもとに行なっていくことになります。

ただし、会社を強く筋肉質にしていこうとすると、「税引後」利益を蓄積して内部留保を大きくしていかなければなりません。「税金を払わないと内部留保が手厚くならない」ということは、忘れないでおきましょう。  

とはいえ、「税金を支払う余裕がない」や「たまたま今期は良かっただけで来期以後の見通しが悪い」などの場合には、目先の税金を減らすことを第一と考えるときもあるでしょう。そんなときには、ぜひ、「守りの節税」と「攻めの節税」を状況に合わせて選択するようにしてください。  

守りの節税とは、会社や経営陣を守るための節税で、「保険の加入」や「中小企業倒産防止共済の加入」、「健康診断の実施」などがあります。個々の項目の詳細は後述しますが、業績の好調なときに悪くなるときを想定して、事前に手を打っておくというのは、経営の王道です。それを節税対策でも活かそうというのが、「守りの節税」です。  

次に、攻めの節税ですが、これは将来の売上向上につながるための節税で、「広告宣伝費の投入」や「人材への投資」、「(中古)設備の購入」などがあります。詳細は後述しますが、来期の布石を今期の経費という形で打っておこうとするのが、「攻めの節税」です。

「悪い節税」は意外なほど多い

私は、節税には、先ほどの守りや攻めといった「良い節税」と、「悪い節税」があると思います。

悪い節税とは、税金を払うのを極端に嫌う結果、無駄遣いをしてしまうパターンです。経営陣が派手な交際費を支出したり、従業員が望んでもいないのに使える設備を新しくしたりすると、会社の士気が極端に落ちることがあります。

悪い節税を実行されているケースは意外なほど多いです。 300万円の利益は300万円の経費で税金0円にできますが、当然会社の現金もそれだけ減少します。

もし悪い節税を実行していなかったら、300万円-300万円×40%(実効税率と仮定)=180万円は会社に現金が残ることになります。税金を払うのが嫌で、会社の現金残高を減らしてしまうような愚を犯さないようにしましょう。

節税の極意3ケ条

では、良い節税とは、どのようなものでしょうか。私なりに「節税の極意3ケ条」をまとめてみました。以下をご覧ください。  

第一条 資金不要であるべし
第二条 永久的な節税であるべし
第三条 高い節税効果があるべし

すべてを満たす節税は少ないですが、例えば、「資金不要」で「永久的」な節税対策としては、不良債権の処理を税法の基準に従って行ない、「貸倒損失」という経費を計上するようなことです。この場合には、帳簿上の仕訳だけで済み(資金不要)、その効果が永久に継続(永久的)します。永久的とは、単なる来期以後への利益の繰り延べ対策ではないということです。

また、たとえ、資金が必要であったり、利益の繰り延べ対策であったりしても、「高い節税効果」が得られるのであれば、会社の状況によっては検討の余地があるでしょう。

例えば、「経営者保険の活用」や「地代家賃の年払い」などが該当します。

節税対策は、「節税の極意3ケ条」に該当するような形で、自社の現状にとって「守りの節税」か「攻めの節税」のどちらが必要なのかを判断したうえで、実施するようにしましょう。

2009.11.1執筆

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

今村 仁

今村 仁

「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。

詳しい自己紹介はこちら

メールマガジン

経営者限定!365日経営者無料メルマガ

(このメルマガに登録されますと弊社発行メール通信・FAX通信に自動登録されることをご了承下さい)

会計事務所の方はお断りさせて頂いています。

まぐまぐ!殿堂入り 税金を払う人・払わない人



powered by まぐまぐ!

このページの上部に戻る