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営業担当者に得意先の回収を急いでもらって、格付・資金繰り対策

決算3ケ月前「社内協力のもと実行可能な決算対策」

決算3ケ月前にするべき5つ目の項目は、「社内協力のもと実行可能な決算対策」です。

決算対策というと、経理部や管理部だけで完結するものと思われがちですが、実際は他部署に協力してもらわないと実行できないものもあります。この場合、決算直前であると協力を得にくいですから、決算3ケ月前には実行するようにしてください。

決算業務を依頼するときの3つのポイント

他部署に決算対策としての業務を依頼すると、トラブルが発生しがちです。これは、依頼する経理部側の問題であったり、コミュニケーションの問題であったりします。

そこで、上手に社内協力を取り付けて円滑に決算業務を行うためのポイントを以下にまとめてみました。

(決算業務を依頼するときのポイント)
1.なるべく早く依頼する
2.期限厳守を徹底する
3.コミュニケーションを密にとる  

決算業務を他部署に依頼するときのポイントは、まず依頼する経理部がなるべく早く決算業務に着手して、結果、関係各部署などに「なるべく早く依頼する」ことです。冒頭のとおり決算業務というのは、経理部だけで完結するものではありません。売掛債権の回収には営業部、在庫の正確な把握には生産部や仕入部などの協力が必要ですし、立替経費の精算を急いでもらうためには社長などの経営陣の協力も必要です。これらを円滑に行うためには、まず何より経理部が、「なる早」で決算の事前業務に着手して、できるだけ早く関係各部署にお願いすることが大切です。  

決算業務を他部署に依頼するときの2つ目のポイントは、「期限厳守を徹底する」ことです。決算関係の仕事というのは、他部署からすると後回しにしがちです。必要であれば催促の電話やFAXを適宜入れるなどして、期限厳守が徹底されるように最善を尽くしてください。  

3つ目のポイントは、「コミュニケーションを密にとる」です。先ほどの期限厳守対策でも、日頃コミュニケーションがとれている先であれば、電話一本で相手が即対応してくれることもあります。

売掛債権の回収が進めば格付アップ!?

それでは具体的に、営業部に売掛債権の回収を急いでもらって決算対策を行うことを考えてみます。

格付けのところでみましたが、「余剰資金で借入金を返済」できれば、金融機関による企業格付がアップする可能性が高いです。ということは、「営業担当者に得意先の債権回収を急いでもらって」、そこで得た余剰資金を使い金融機関の借金返済に回すと、「有利子負債の削減」及び、「総資産圧縮により自己資本比率などの向上」となり、格付アップに貢献します。

それではどうやって債権回収を急いでもらう(又は債権自体を減少させる)のかというと、次の5つの手法が考えられます。

(売掛債権5つの減少方法)
1.現金での回収可能性の検討
2.回収条件の早期化を検討(新規の取引先から)
3.滞留債権の回収の徹底
4.債権管理の徹底(滞留債権や不良債権の未然防止)
5.前受けでもらえるビジネスを考える  

全部ではなくても一部でも「現金回収」ができれば、売掛債権は減ります。また、現金回収ができなくとも、通常60日サイトの入金であれば「新規の取引先から50日にする又は45日にする」というのは、営業担当者の努力によっては可能かもしれません。  

過去の未回収である「滞留債権」については、入金遅延の都度、即電話を入れるなどこまめな早めの対応で解消できる部分もあるでしょう。更に滞留債権が発生しない仕組み作りとして、「債権管理の徹底」も大切です。  

売掛債権の抜本的な減少方法としては、「前受けでもらえるビジネスを考える」というのもあります。

資金繰り対策や節税対策にも貢献

この「営業担当者に得意先の回収を急いでもらう」ことは、単に格付アップの視点にとどまらず、「資金繰り対策」や「節税対策」にも貢献します。得意先の債権回収が早まれば手元資金が増加しますから、資金繰りにとってプラスです。  

また、債権回収を急ぐプロセスは、不良債権の早期発見につながります。不良債権については、節税の項目でみたように「貸倒損失」や「貸倒引当金」の計上が一定条件のもと認められ、節税対策となることがあります。

2009.11.1執筆

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

今村 仁

今村 仁

「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。

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