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保険の見直し~応答日は年度末が鉄則

決算1ケ月前には保険の見直

決算直前である1ケ月前であると、今期予想及び来期予想が出揃っているでしょうから、保険の見直し時期としては最適です。  

決算対策を踏まえた具体的な保険の見直しポイントとしては、大きく3つあります。  

1つは、「今期予想が赤字で資金繰りが苦しい」というときに、「保険を解約して含み益を顕在化させて、黒字化対策及び資金繰り対策として活用する」です。保険の解約というのは金額によっては多額になることもあり、慎重な判断が必要ですので、実行するかどうかの判断時期は決算1ケ月前が妥当です。  

2つ目は、「来期以後、当面業績が芳しくない」というときに、「保険料を削減する」です。ただし、保険リストラにおいては、単に保障がすべてなくなる「解約」という選択肢以外の手法もぜひ検討してください。例えば、「特約部分だけの解約」や「失効及び復活制度の活用」、保険金額を下げることによって以後の支払いをストップしたまま主契約の保険が継続する「払い済み」、解約返戻金の一定の範囲内で保険会社からお金を借りることができる「契約者貸付」などとなります。  

3つ目の保険見直しポイントは、「今期決算で大幅黒字となりそうなので、節税をしたい」というときに、「短期前払費用を活用した年払い保険による節税対策」です。

従来から加入している定期保険であれば、決算期末に節税対策のページにある短期前払費用を活用して、毎月払いの保険契約を年払いに切り替えます。すると、今期だけでみると、今まで支払った12ケ月分の保険料に来期12ケ月分の保険料がプラスされて、計2年分の保険料を費用に計上することができます。また、新規加入の定期保険の場合、最初から年払いで保険契約すると、今期に1年分の保険料を費用に計上できます。

加入時と現在のギャップを是正する

今までは「決算対策としての保険の見直し」の話をしてきましたが、毎年決算1ケ月前に保険の見直しを実施する、より大きなメリットは、「保険加入時と現在の会社状況とのギャップを是正する」ことにあります。  

保険加入時に、「節税対策」や「退職金準備」として加入したものの、現在ではそもそもその必要性がなくなっていたり、必要保障額が現況ではギャップを生じていたり、ということはよくあります。保険のメンテナンスを1年に1回行うというのは、保険の加入目的や必要保障額を適切に調整するために重要です。また、同時に保険の内容を経営者や管理担当者などが思い出すという点でも、大切です。  

この保険の見直しは、生命保険に限らず、商品や建物、車両などにかける損害保険についても同様に必要です。

応答日を決算直前にする

では最後に、保険の加入時期についての耳より情報です。  

保険には、応答日と呼ばれるものがあり、これは保険に入った後に迎える契約日のことです。例えば、3月25日に保険に加入した場合の応答日は、毎年3月25日となります。

ここで、この応答日を決算日の少し前におおむねそろえておくと、年払いに切り替えるなど前述の保険見直しがスムーズとなりますので覚えておいてください。

2009.11.1執筆

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

今村 仁

今村 仁

「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。

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