節税を実施したときの財務諸表への影響を知る! | 大阪の税理士法人:大阪・京都・神戸・滋賀・奈良・東京・横浜を中心に活動/決算対策/節税対策/銀行対策/黒字化対策/赤字対策/資金調達/税務調査/

ホーム > 決算3か月前にやるべき6項目 > 節税を実施したときの財務諸表への影響を知る!

節税を実施したときの財務諸表への影響を知る!

節税→経費増→利益減

節税を実施すると、一般的に、経費が増えますから、結果利益が減少します(税額控除等の節税対策は除く)。税金というのは、利益を元に計算しますから利益が減れば税金も減ります。  

一方、貸借対照表で最も重要な箇所は、「純資産の部」です。金融機関も同様に最初に確認する部分です。そしてこの純資産の部の構成要素は、おおまかには、「資本金」と「繰越利益剰余金」です。資本金は増減資などの特殊事情が無い限り変更がないでしょうから、「繰越利益剰余金」が特に重要です。繰越利益剰余金とは、その名の通り、過去から繰り越された利益の蓄積ですので、黒字のときはプラスで赤字のときはマイナスとして集計します。つまり、図にあるように、損益計算書における税引後当期純利益が貸借対照表の繰越利益剰余金に加算されていくのです。

貸借対照表と損益計算書のつながり

過度な節税は財務を悪くする?

ということは、節税を実施して税引後利益が減少すると、必然的に繰越利益剰余金が減少して純資産もその分減少します。結果、節税を実施すると、一般的に財務諸表は悪くなります。これは、「固定資産台帳と売掛台帳は、節税の宝の山」の図にある「資金不要の節税対策」であっても同様ですが、「資金必要の節税対策」では、更に、一時的には資金繰りも悪くなりますので注意が必要です。

とはいえ、節税がダメといっているわけではもちろんありません。「資金不要の永久節税対策」に挙げたようなものはぜひとも実行してください。また、中小企業投資促進税制などの税額控除なども有効な節税対策といえます。財務諸表への影響を考えると、「過度な」節税が良くないとお考えください。中小企業をみてきての経験上ですが、過度な節税を目指す会社は、結果的にお金に嫌われて貯金などが少ないように思います。  

ちなみに、「節税チェックリストでもれなく実施!」の図にある「税金繰延対策」の場合は、後に税金を払わないといけませんが、同時に財務諸表も良くなります。  

会社経営において大事なことは、税金を払わないと財務諸表は良くならないという事実です。金融機関の評価も同様です。損益計算書の税引後利益を増やして、結果、貸借対照表の純資産の部を手厚くしていくことが、財務諸表を良くする上で大切になります。

小企業では例外もあり

純資産の部を手厚くすることは重要なのですが、例外もあります。

例えば、10人以下の小企業などでは経営者=会社ということもあり、経営者及び会社トータルでの節税を重視していくという選択肢もあります。この場合、個人と法人の税率差を考えて経営者個人で多額(適切な範囲内)の役員給与を受け取り、会社での不足資金は役員借入金でまかなうことになります。

結果、会社の貸借対照表における純資産の部は大きくなりませんが、会社経営がゴーイングコンサーンしていけることもありますので、最後に付け加えておきます。

2009.11.1執筆

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

今村 仁

今村 仁

「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。

詳しい自己紹介はこちら

メールマガジン

経営者限定!365日経営者無料メルマガ

(このメルマガに登録されますと弊社発行メール通信・FAX通信に自動登録されることをご了承下さい)

会計事務所の方はお断りさせて頂いています。

まぐまぐ!殿堂入り 税金を払う人・払わない人



powered by まぐまぐ!

このページの上部に戻る