節税チェックリストでもれなく実施! | 大阪の税理士法人:大阪・京都・神戸・滋賀・奈良・東京・横浜を中心に活動/決算対策/節税対策/銀行対策/黒字化対策/赤字対策/資金調達/税務調査/

ホーム > 決算3か月前にやるべき6項目 > 節税チェックリストでもれなく実施!

節税チェックリストでもれなく実施!

4つの区分けで32項目

前項「守りと攻め、節税の極意3ケ条」で「資金不要、永久的、高い節税効果」という良い節税のキーワードをお話しました。 ここからは、それらに該当する具体的な節税対策をご紹介していきます。

まずは、下図をご覧ください。
節税対策を良い節税キーワードをもとに4つに区分けして、合計32の項目を掲載しました。区分けは、「資金不要の永久節税対策」、「資金不要の税金繰延対策」、「資金必要の永久節税対策」、「節税効果の高いもの(資金必要の税金繰延対策)」です。

節税対策が必要な会社は、図にある節税チェックリストをご活用ください。個々の項目の詳細は後述していきますが、ここでは後述していない部分について解説をしていきます。

在庫や貯蔵品には税金がかかる?

まずは、3「不良在庫を処分できないか」です。

在庫というのは、会社の資産となり、売上原価の計算式では「期首在庫+当期商品仕入高-期末在庫」となります。つまり、在庫が多くなればなるほど費用である売上原価がその分少なくなり、税金がかかることになります。これは逆にいうと、在庫の金額が少なくなれば節税になるということです。

そこで、売れない在庫があれば、「赤字覚悟で決算セールを実施」したり、「在庫を廃棄」したりすることをおすすめします。これは会社の財務体質健全化にも貢献します。

ただし、在庫を廃棄するときには、税務署対策として「廃棄したことが分かるような証拠書類」を保存しておくようにしてください。例えば、処分業者からの「廃棄証明書」や「廃棄商品の写真」などです。

在庫と同様に、会社にある文房具や切手、収入印紙などで決算期末に存在するものは、貯蔵品として会社の資産に計上するのが原則です。

しかし、例外処理として、法人税法基本通達2-2-15には、「各事業年度ごとにおおむね一定数量を取得し、かつ、経常的に消費するものについては決算期末において資産計上しなくてよい」と定められています。

この規定を使って資産処理せず経費計上できれば、節税につながるのではないでしょうか。これが17「貯蔵品の計上を基本通達2-2-15により廃止できないか」になります。

売上の計上基準や締切日を変更できないか

次には、9「売上の計上基準を変更できないか」ですが、売上の計上基準とは、商品を出荷したときに売上を認識する「出荷基準」や得意先が商品を検収したときに売上を認識する「検収基準」のことです。節税対策を考えると、なるべく売上の計上時期は遅らせたほうが有利です。

そこで、売上の計上基準を「検収基準」としてみてはいかがでしょうか。この場合、3月末決算の会社では、3/31出荷、4/1納品・検収という商品について、来期の売上計上となります。ただし、売上の計上基準については、みだりに変更するのではなく、継続適用するようにしてください。  

10「売上の締切日での決算を検討したか」ですが、これは法人税法基本通達2-6-1を活用したものになります。通達では、「法人が、商慣習その他相当の理由により、各事業年度に係る収入及び支出の計算の基礎となる決算締切日を継続してその事業年度終了の日以前おおむね10日以内の一定の日としている場合には、これを認める」と定められています。つまり、20日締めの得意先について、本来であれば21日から末日までの売上を計上しないといけないのですが、継続適用という前提で、21日以後の売上を来期回しにすることができるのです。

但し、この場合には仕入や在庫も同様の基準で処理しなければならないため、節税効果としては、初年度に限り、おおむね粗利分のみ来期に繰り越せるということになります。副次的な効果としては、帳端の売上(上記の例であれば21日から末日までの売上)を集計しなくていいという実務上の手間省略もあります。

社宅、社員旅行、中小企業退職金共済の活用

24「役員や従業員の自宅を社宅にすることを検討したか」ですが、これは下記の国税庁タックスアンサーにあるような負担金を個人が給与天引きなどで負担すれば、会社負担分の社宅家賃などについて、給与課税がなされず、福利厚生費などとして会社の経費計上が認められるということです。社宅費用全額を会社負担にすると、個人に給与課税されますのでご注意ください。

【国税庁タックスアンサーより一部抜粋】
●使用人に社宅や寮などを貸したとき
使用人に対して社宅や寮などを貸す場合には、使用人から1か月当たり一定額の家賃を受け取っていれば給与として課税されません。この1か月当たりの一定額の家賃は、次の三つを合計した金額を基準とします。
(1)(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
(2)12円×(その建物の総床面積(㎡)/3.3)
(3)(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%
以上の三つを合計した金額が、使用人に貸す社宅や寮などの1か月当たりの家賃の基準となります。使用人から受け取っている家賃が、基準となる金額の50%以上であれば、受け取っている家賃と基準となる金額との差額は、給与として課税されません。
●役員に社宅などを貸したとき
役員に対して社宅を貸す場合には、役員から一定額の家賃を受け取っていれば、給与として課税されません。この基準となる1か月当たりの家賃は、貸す社宅の床面積により小規模な住宅とそれ以外の住宅とに分け、次のように計算します。ただし、この社宅が、社会通念上一般に貸与されている社宅と認められないいわゆる豪華社宅である場合は、次の算式の適用はなく、時価(実勢価額)によることとなります。
(注)小規模な住宅とは、建物の耐用年数が30年以下の場合には床面積が132㎡以下である住宅、建物の耐用年数が30年を超える場合には床面積が99㎡以下(区分所有の建物は共有部分の床面積をあん分し加えたところで判定します)である住宅をいいます。
1役員に貸す社宅が小規模な住宅である場合
次の(1)から(3)の合計額が基準となる1か月当たりの家賃になります。
(1)(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
(2)12円×(その建物の総床面積(㎡)/3.3)
(3)(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%
2役員に貸す社宅が小規模な住宅でない場合
次の(1)と(2)の合計額の12分の1が基準となる1か月当たりの家賃になります。
(1)(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12%
ただし、建物の耐用年数が30年を超える場合には10%を掛けます。
(2)(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6%
(注)会社が他から社宅を借りて貸す場合には、この金額と会社が支払う家賃の50%の金額とのいずれか多い金額が、基準となる金額になります。

同じ福利厚生費関係として、25「社員旅行の実施を検討したか」ですが、これも先ほどと同様に、個人に給与課税されないように実施することが重要です。

具体的には、「4泊5日以内」、「1人当たり10万円程度」及び「50%以上が参加」の要件を満たす社員旅行は通常給与課税されず、全額会社の福利厚生費として処理できますので覚えておいてください。

この項目の最後は、27「中小企業退職金共済への加入を検討したか」です。中小企業退職金共済とは、「中小企業が、従業員の退職に備えて毎月掛金を支払い、節税を図りながら、社外に退職積立をしていくことができる」制度となっています。独立行政法人「勤労者退職金共済機構」が運営する共済制度で、役員は対象となりません。

また、従業員が退職する際には、退職金が事業団から従業員に直接支払われます。これを事業主に変更することはできませんので、ご注意ください。対象となる中小企業の範囲などについて、詳しくは中小企業退職金共済のHPをご覧ください。

節税対策チェックリスト32項目

2009.11.1執筆

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

今村 仁

今村 仁

「節税は義務、納税は権利」がモットーです。
自分の半生について、取材を受けました。

詳しい自己紹介はこちら

メールマガジン

経営者限定!365日経営者無料メルマガ

(このメルマガに登録されますと弊社発行メール通信・FAX通信に自動登録されることをご了承下さい)

会計事務所の方はお断りさせて頂いています。

まぐまぐ!殿堂入り 税金を払う人・払わない人



powered by まぐまぐ!

このページの上部に戻る